コレステロール値が気になる方へ:自宅で始める穏やかな有酸素運動と体幹運動
健康診断でコレステロール値について指摘を受け、ご自身の健康に不安を感じていらっしゃる方は少なくありません。コレステロールは体にとって必要な脂質ですが、数値のバランスが崩れると、健康リスクが高まる可能性があります。
毎日の生活に運動を取り入れることは、コレステロール値の改善に有効な手段の一つです。しかし、いきなり激しい運動を始めることに抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。「数値別かんたん運動レシピ」では、ご自宅で特別な器具を使わず、運動経験が少ない方でも無理なく始められる、穏やかな運動法をご紹介いたします。
コレステロール値に良いとされる運動のポイント
コレステロール値の改善には、主に以下の二つの運動が効果的であるとされています。
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有酸素運動: ウォーキングや足踏みなど、比較的軽い負荷で長時間行える運動です。体脂肪の減少を促し、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす効果が期待できます。
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体幹運動(筋力運動の一種): 体の中心部を支える筋肉を鍛える運動です。基礎代謝の向上に繋がり、全身の血行促進や体脂肪の減少をサポートすることで、間接的にコレステロール値の改善に貢献します。また、姿勢の改善や転倒予防にも役立ちます。
ここでは、これらの運動をご自宅で実践しやすいように、具体的な方法とポイントをご説明します。
自宅でできる運動レシピ
1. 穏やかな有酸素運動:その場足踏み運動
特別なスペースや器具が不要で、テレビを見ながらでも行える手軽な有酸素運動です。
- 目的と効果: 血行を促進し、体脂肪の燃焼を促します。心肺機能の維持・向上にも役立ちます。
- 具体的な動作:
- 背筋を軽く伸ばし、顔は正面を向いて立ちます。
- 腕を軽く振りながら、その場で足踏みを始めます。太ももを高く上げる必要はありません。
- 膝を軽く曲げ伸ばしする程度で、地面からの衝撃を和らげるように行います。
- ポイント:
- 呼吸を止めず、自然なペースで行います。
- 会話ができる程度の速さと強度を目安にしてください。
- 床に響きにくいよう、足の裏全体を優しく着地させることを意識します。
- 推奨頻度・時間・強度: 1日10分から20分程度を目標に、週に3回から5回行うことを目指しましょう。無理のない範囲で、少しずつ時間を延ばしていくと良いでしょう。
2. 体幹を意識した運動:椅子を使った体幹ねじり
椅子に座ったままできる、体幹を穏やかに刺激する運動です。
- 目的と効果: 腹筋群や背筋群を刺激し、体幹の安定性を高めます。お腹周りの血行促進にも繋がります。
- 具体的な動作:
- 椅子に深く腰掛け、背筋をまっすぐに伸ばします。足の裏は床にしっかりとつけます。
- 息をゆっくり吐きながら、おへそから上体をゆっくりと右にねじります。手は太ももの上や椅子の背もたれに軽く添えても構いません。
- 無理のない範囲でねじり、数秒間その姿勢を保ちます。
- 息を吸いながらゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- 同様に、今度は左側へねじります。
- ポイント:
- 勢いをつけず、ゆっくりと丁寧に行います。
- 腰に痛みを感じる場合は、ねじる範囲を狭めるか中止してください。
- 肩の力は抜き、リラックスして行いましょう。
- 推奨頻度・時間・強度: 左右それぞれ10回を1セットとし、2〜3セット行うことを目標にしてください。毎日行っても良いでしょう。
3. 体幹を意識した運動:ドローイン(腹式呼吸)
仰向けや椅子に座って行える、お腹の深層筋を鍛える呼吸法です。
- 目的と効果: お腹周りのインナーマッスルを鍛え、基礎代謝の向上や姿勢の安定に役立ちます。
- 具体的な動作:
- 仰向けに寝るか、椅子に深く腰掛けて背筋を伸ばします。
- 両手をお腹に軽く置きます。
- 息をゆっくりとすべて吐き出し、お腹をへこませます。このとき、お腹が背中につくようなイメージで、最大限にへこませてください。
- お腹をへこませた状態をキープしたまま、浅く呼吸を繰り返します。
- 10秒から30秒ほど維持したら、ゆっくりと息を吸いながらお腹を元の状態に戻します。
- ポイント:
- お腹をへこませた状態でも呼吸を止めないことが重要です。
- 腰が反らないように注意し、腹筋の力だけでへこませることを意識します。
- 慣れてきたら、立った状態や他の動作と組み合わせて行ってみましょう。
- 推奨頻度・時間・強度: 1回10秒から30秒程度を目標に、数回繰り返してください。毎日継続することで効果が期待できます。
運動を始める際の注意点
運動を安全に、そして効果的に行うためには、いくつかの注意点があります。
- 準備運動と整理運動: 運動の前後に軽いストレッチを行うことで、怪我のリスクを減らし、体の回復を促します。
- 水分補給: 運動中や運動後は、意識的に水分を補給してください。
- 体調の変化に注意: 運動中に体調が悪くなった場合や、痛みを感じた場合はすぐに中止してください。無理は禁物です。
- 無理のない範囲で: 最初は短い時間や少ない回数から始め、体が慣れてきたら徐々に増やしていくようにしましょう。
運動を継続するためのヒント
運動の効果を実感するためには、継続が何よりも大切です。
- 小さな目標を設定する: 「毎日5分だけやってみる」「週に3回は必ず行う」など、達成しやすい目標を立ててみましょう。
- 記録をつける: 運動した日時や内容を記録することで、達成感を得られ、モチベーション維持に繋がります。
- 楽しむ工夫をする: 好きな音楽を聴きながら行う、家族や友人と一緒に試してみるなど、運動を楽しい時間に変える工夫をしてみましょう。
- 専門家への相談: ご自身の体調や健康数値、運動内容について不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
まとめ
コレステロール値の管理は、日々の生活習慣の積み重ねが重要です。今回ご紹介した運動は、ご自宅で手軽に始められるものばかりです。無理なく、ご自身のペースで継続することで、健康的な体作りをサポートし、コレステロール値の改善にも繋がるでしょう。
ご自身の健康状態に合わせて、穏やかに運動を取り入れ、より健やかな毎日を目指してください。